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⑥常在菌と共に育てるセルフケアの視点

「菌=悪いもの」「とにかく除菌・殺菌が安心」
そんなイメージ、まだ根強くありませんか?

でも、私たちの体には、生まれたときから“いて当たり前”の菌たちがいます。これを「常在菌」と呼びます。
肌の表面や腸内、そして膣の中にも、数えきれないほどの常在菌が存在していて、それぞれの場所で大切な役割を果たしています。

とくに女性のデリケートゾーンでは、乳酸菌などの善玉菌が環境を酸性に保ち、雑菌の侵入や増殖を防いでいます。
この常在菌が元気に働いてくれているからこそ、膣内環境は健やかに保たれているのです。

ところが、強い洗浄剤や殺菌成分の入っているローション等の使用、あるいは体調の変化やストレスによって、このバランスが崩れると、善玉菌まで減ってしまい、かえって不調を招きやすくなります。

これからのケアは、「菌を取り除く」のではなく、「必要な菌を守り、育てる」という視点が大切。
たとえば、pHバランスに配慮したやさしい洗浄剤を選んだり、生きた乳酸菌を取り入れて常在菌をサポートしたりすることも、その一つです。

自分の中に“味方”として存在してくれている常在菌たち。
彼らとバランスよく共生することが、心地よく、無理のないセルフケアにつながっていきます。